
このページでは、納豆菌について学習します。
納豆菌は、枯草菌(こそうきん)という細菌の仲間です。
枯草菌とは、その名の通り枯草や落ち葉、
土壌に多く生息する細菌です。
枯草菌と納豆菌の違いは、
枯草菌は納豆のネバネバの主成分(ポリグルタミン酸)
をつくらないことです。
加熱した大豆に納豆菌を加えて発酵させると、
タンパク質を分解してアミノ酸、ビタミンをつくり、
納豆ができあがります。
納豆菌の働きにより生成されたビタミンKやビタミンK2は、
骨を丈夫にすると言われていますが、
納豆はこれらのビタミンが豊富に含まれていることで知られています。
また脂肪やタンパク質の量は大豆と納豆ではさほど変わりませんが、
摂取した時には納豆の方が吸収率が高まります。
ちなみに、納豆菌は稲わらに多く生息しています。
よく干して乾燥した稲わらは、
他の微生物にとっては生存が難しい環境です。
蒸した大豆を干した稲わらで包んでおいたら、
納豆ができあがっていたというのはこういうわけなのです。
枯草菌の性質
枯草菌は、生息する場所で栄養素がなくなってくると、
芽胞という細胞をつくり休眠します。
枯草菌の芽胞は、長期間生存することができ、
再び環境が良くなると発芽し、増殖します。
枯草菌は熱やアルコール、酸に強く、
これらで完全に不活化することは難しいです。
こういった性質を利用して、
生きたまま腸に届くサプリなども開発されています。
枯草菌の使い道
枯草菌が人の生活に役立つ場面は、
食品では納豆菌で納豆を生産するぐらいになりますが、
工業的には活用されることが多く、非常に重要な微生物になります。
枯草菌は酵素を大量に生産し、しかも培養もしやすい特徴があります。
例えば
洗濯用洗剤に配合されていて、洗浄力を高める
プロテアーゼ(タンパク質を分解する)
アミラーゼ(デンプンを分解する)、
リパーゼ(脂質を分解する)
などの酵素を作り出すための菌として枯草菌は大活躍しています。
その他、医療用消化酵素の生成などにも利用され、
活用の幅が広い特徴があります。
納豆菌、枯草菌について解説しました。
枯草菌は生命力が強いことや、
工業製品にまでも利用されている、
人間にとって役立つ微生物であることがわかりましたね。
次のページでは、酵母について学習しましょう。