Lesson1-1 発酵とは?

発酵食品に支えられた食生活

発酵食品と聞いて、まず思い浮かぶものは何でしょうか?

「チーズ」「キムチ」「ヨーグルト」・・・。

人によって想像する発酵食品はさまざま異なります。

みなさんが思っている以上に発酵食品の数は多く、
発酵食品を口にしない日は無いと言っても過言ではありません。

おそらく、今日もすでに発酵食品を一つ以上は食べているはずです。

例えば、今日の朝食は何を食べましたか?

和食の人は、ご飯に味噌汁、納豆、漬物、焼き魚・・・
といったメニューでしょうか。

この時点で、メニューのほとんどが発酵食品です。

まず、味噌汁に使われる味噌は、日本の発酵食品の代表ですね。

だしに使われる鰹節も、実は発酵食品であることを知っていますか。

納豆も漬物も発酵食品ですし、焼き魚にかける醤油もまたしかりです。

気がつけば、身の回りが発酵食品ばかりであることに驚きます。

では、洋食メニューはどうでしょうか。

パン、ヨーグルト、チーズ、etc・・・。

これらも全て、発酵食品です。

パンが発酵食品であることを、知らない人も多いようです。

パンには小麦と水だけでなく、酵母を加えます。

酵母の働きによって、アルコールと二酸化炭素(炭酸ガス)が発生し、
それがパン生地の生成に役立っているのです。

このように日常の食卓を思い浮かべるだけでも、
私たちの食生活は発酵食品に支えられていることが
よくわかりますね。

日本は世界の中でもとりわけ発酵食品が多いことで知られていますが、
世界中に発酵食品は存在しています。

発酵食品とは知らずに口にしているものも含めると
その種類はとても多いのです。

そもそも、発酵って何だろう?

一般的に発酵食品とは、微生物の活動によって作られる、
人間にとって有益な物質を含む食品のことを言います。

もう少し専門的に解説すると、
酸素が無い環境(嫌気的環境)で微生物が糖類などの栄養素を分解し、
エネルギーを作り出す過程が発酵です。

発酵によって生成されるものが、アルコールや乳酸となります。


発酵の仕組みや発酵に関わる微生物の種類については、
Lesson2以降で詳しく学習を進めましょう。

次のページでは、発酵の歴史について解説します。