
このページでは乳製品の発酵食品の続きとして、
チーズについて学習しましょう。
チーズの歴史は非常に古く、
その始まりは紀元前4世紀ごろまで遡ると言われています。
日本に入ってきたのはそのずっと後の、
奈良・平安時代とされていますが、
一般向けに生産されるようになったのは、
大正時代に入ってからです。
世界には1000種類を超えるほどのチーズが存在し、
もっとも種類が多い食品の一つでもあります。
原料の乳も牛だけでなく、
水牛、ヤギ、羊、ラクダ、トナカイ、ロバなどがあります。
チーズの種類
チーズには大きく分けて、
プロセスチーズ(加熱してある)と、
ナチュラルチーズ(加熱していない)があります。
日本でよく食されているチーズは、
プロセスチーズです。
加熱により発酵が止まるので、
味が一定になりクセもなく、
長期保存が可能です。
一方でナチュラルチーズは加熱していないため、
乳酸菌や酵素が活かされたままです。
発酵や熟成の方法によって味わいが異なるため、
ナチュラルチーズはそれぞれに個性があり、
種類も多様になります。
日本でもよく食されるナチュラルチーズには、
モッツァレラチーズや、
白カビに覆われたカマンベールチーズがあります。

チーズの製造
加熱殺菌した乳に、
乳酸菌とレンネットという酵素を加えます。
すると、乳中のカゼインが凝固するため、
固形分のカードと乳清(ホエイ)に分離します。
このカードが、ナチュラルチーズです。
こうしてつくられたチーズのうち、
発酵させないものがフレッシュチーズとなりますが、
その他は微生物の働きにより発酵過程に入ります。
そして、ナチュラルチーズを加熱したものが、
プロセスチーズとなります。
ナチュラルチーズの種類
ナチュラルチーズの種類は数えきれないほどありますが、
主なものを次にまとめました。
| チーズのタイプ | チーズの種類 | 説明 | 代表的なチーズの名前 |
| 軟質 水分50%以上 | フレッシュチーズ | 熟成させないチーズ。 | モッツァレラ、カッテージ、クリームなど。 |
| 軟質 水分50%以上 | 白カビチーズ | 白カビをつけて熟成させるチーズ。 | カマンベール、クロミエなど。 |
| 軟質 水分50%以上 | ウォッシュチーズ | チーズの表面に菌をつけたもの。 菌が繁殖しすぎないように、チーズの外皮を塩水や酒で洗いながら熟成させる。 | エポワス、タレッジオなど。 |
| 軟質 水分50%以上 | シェーブルチーズ | 山羊の乳が原料のチーズ。 | ヴァランセなど。 |
| 半硬質(セミハード) 水分40〜50% | ブルーチーズ | 水を切ったカードに、青カビをまぶして形をつくり、熟成させたもの。 | ゴルゴンゾーラ、ロックフォールなど。 |
| 半硬質(セミハード) 水分40〜50% | ブルーチーズ以外 | クセがなく、食べやすいものが多い。 | ゴーダ、サムソーなど。 |
| 硬質(ハード) 水分25〜40% | 半年〜1年ほど熟成させるので、旨みがある。 | チェダー、エダムなど。 | |
| 超硬質(エキストラハード) 水分20%以下 | 1年以上かけて熟成させる。 | パルミジャーノ・レッジャーノなど。 |
上の表の中でもっとも匂いの強いチーズは、
ブルーチーズとウォッシュチーズで、
上級者向けのチーズです。
ウォッシュチーズで特に有名なのが、
フランス・ブルゴーニュ地方の村が原産の「エポワス」です。

熟成させるにつれ表面は美しいオレンジ色になり、
中身はベージュがかったクリーム色で、
とろりとまろやかな味わい。
匂いはかなり強烈ですが、
その濃厚な味わいは他のチーズとは一線を画し、別格と言われています。
本場ヨーロッパでチーズと言えば、
ナチュラルチーズのことを指します。
スーパーやデパ地下などでも、
ヨーロッパから輸入したナチュラルチーズがたくさん販売されているので、
いろいろなチーズを味見してみましょう。
次のページでは、パンについて解説していきます。