
このページでは、パンについて解説します。
小麦粉と水に、酵母を加えて発酵させ、
焼いたものがパンです。
Lesson3-5 「酵母」についても
復習しておくと良いでしょう。
パンの歴史
小麦を食品として活用する歴史は古く、
およそ1万年も前から、小麦を粉にして食べていたと言われています。
8000年ほど前のメソポタミアでは、
小麦をこねて焼いて食べており、
これがパンの原型となったようです。
日本に発酵パンが入ってきたのは、
ずっと後の、16世紀半ばとされています。
パンのしくみ
パン生地に加えた酵母が、糖を取り込んでアルコール発酵しますが、
その時に発生するガスによって大きく膨らみます。
さらに、発酵するときに生成される
アルコールやエステル(香気成分)によって、
パンの香りや風味が生み出されます。
どのような酵母を使うかによって、
パンのできあがりが左右されるため、
酵母の選択はおいしいパンの重要な要素なのです。
天然酵母を売りにするパン屋が多くなったのも、
独自のおいしいパンをつくろうとする試みなのでしょう。
日本ではひと昔前までは、
パンと言えば食パンや菓子パンぐらいでしたが、
年々パンの購入率が上がっており、
人気が高まっています。
そのため、国内のパン屋でも、
ヨーロッパの街角で売られているような、
本格的なパンが買えるようになりました。
それでは、世界の代表的なパンを見ていきましょう。
ライ麦パン

ライ麦パンは、ドイツをはじめ、
北欧、東欧、ロシアなどでよく食べられているパンです。
ドイツではライ麦パンがロッゲンブロート、
ライ麦と小麦を混ぜたものがミッシュブロートと呼ばれています。
ライ麦の割合が高いほどずっしりと重くなり、
独特の酸味が味わい深いパンとなります。
薄くスライスしてトーストしたり、
クリームチーズやハムなどを挟んでサンドイッチにしても◎。
パン・ド・カンパーニュ

パン・ド・カンパーニュは、フランスのパンで、
バゲッドと同じように、
小麦粉、酵母、塩、水だけでつくられるシンプルなパンです。
フランス語で「田舎のパン」と言われる通り、
家庭でホームメイドされることが多く、
日常で愛されるパンです。
形は大きな丸型や卵型が多く、
スライスして食べます。
どのような小麦や酵母を使うかにより、
独特な風味や味をもつものもありますが、
それがかえってスープなどの料理によく合います。
チャバタ

チャバタは、小麦粉、酵母、塩、水、オリーブオイルを用いてつくる、
イタリア発祥のパンです。
チャバタ=スリッパという意味ですが、
形がスリッパのような形のためそう呼ばれるようになったとか。
皮は歯ごたえがあり香ばしく、
気泡のある中身はもちもちしているのが特徴。
バターではなくオリーブオイルを使っているので、
オリーブオイルの香りがふんわりと香り、
ヘルシーなのも人気です。
ベーグル

アメリカで人気があるのがドーナツ型をしたベーグルです。
日本でも専門店ができるなど、
人気のあるパンの一つになります。
もともとはユダヤ人のコーシャ食品(※)として
ユダヤ人の間で食べられていましたが、
アメリカで発展を遂げました。
(※)ユダヤ人が食べても良いとされる、清浄な食品のこと。
ベーグルは、そのもちもちとした食感が特徴的ですが、
それは焼く前にパン生地をゆでるためで、
そうすることで、小麦のデンプン質が変化するのです。
ベーグルは、半分にスライスして、
クリームチーズやハムを挟んで食べることが多いです。
ピタパン

ピタパンは、中東や北アフリカで日常的に食されるパンです。
発酵させた生地を平たくのばし、
オーブンで一気に焼くと大きく膨らみ、
内側にポケットができます。
それを半分に切って、
ポケットの部分に肉や野菜など好みの具を入れて、
サンドイッチのようにして食べるのが一般的です。
英語圏では「ポケットパン」とも呼ばれ、
親しまれています。
世界のパンについて解説しました。
日本のパン屋でもヨーロッパを中心にさまざまな国のパンを取り扱っているので、
試してみると良いでしょう。
また、中にはインターネットでレシピを調べることもできます。
パン生地が発酵によって膨らむのを観察しながら、
挑戦してみてください。
次のページでは、酒について学習しましょう。