Lesson5-6 酒類①

Lesson4-6では、日本発祥の酒類について学びましたね。

酒は、

  • 醸造酒
  • 蒸留酒
  • 混成酒

の3つに分類されることを学習したので、
しっかりと復習しておきましょう。

このページでは、代表的な世界の酒類について解説します。

ワイン

ワインは、ブドウ果汁をアルコール発酵させてつくる酒です。

酒の分類では、「醸造酒」になります。

ブドウの果皮には天然の酵母がたくさん生息しており、
果汁にはたくさんのブドウ糖があるため、
果汁を放置していれば発酵して、ワインとなります。

ただし、醸造方法がシンプルなだけに、
ブドウの品種やできばえ、気候風土などに大きく左右されます。

おいしいワインをつくろうとするなら、
ブドウの生育環境(テロワール)にも、
細やかな気配りが必要なのです。

ワインは人類が初めて飲んだ酒であり、
今から1万年前にはすでに
製造されていたと言われています。

日本ではワインの歴史はまだ浅く、
世界的に見てもその消費量は非常に少ないのが現状です。

成人1人あたりのワイン消費量は、
ヨーロッパ諸国は年間30〜50ℓなのに対し、
日本は年々上昇してはいるものの、3ℓ程度となっています。

しかし、山梨県や長野県、北海道などでは、
ワイン醸造を向上すべくさまざまな努力がなされており、
日本独自のおいしいワインも醸造されるようになりました。

ワインは大きく分けて、5つに分類されます。

次の表を見て確認してください。

ワインの種類説明
スティルワインもっとも一般的な、赤・白・ロゼなどの
非発泡性ワインのこと。
アルコール度数は9〜14度。
スパークリングワイン3気圧以上の炭酸ガスを入れたワインのこと。
3気圧以下のワインは、弱発泡性ワインとなる。
フォーティファイドワインワインの醸造中、またはできあがったワインに、
ブランデーなどの蒸留酒(スピリッツ)などを加えたもの。
ポルトガルのポート・ワインや、
イタリアのマルサラなどがある。
フレーバードワインスティルワインに果実、香辛料、甘味料を加え、
風味をつけたもの。
代表的なものにサングリアやグリューワイン、
ヴェルモットなどがある。
その他(フルーツワインなど)フルーツワインは、ブドウ以外の果実でつくられた醸造酒のこと。
外国でワインと言えば原料はブドウのみだが、
日本ではリンゴやキウイなどの果実を発酵してつくる
フルーツワインがある。

ワインの中でも特に赤ワインは、
ポリフェノールが多く含まれるため、
適量であれば動脈硬化や脳梗塞を防ぐ抗酸化作用など、
健康維持にも役立つ
ことで知られています。

ビール

ビールとは、麦芽(大麦を発芽させたもの)を糖化し、
酵母を加えてアルコール発酵後、熟成させたお酒
です。

酒の分類では、「醸造酒」に分類されます。

ワインに次いで古い歴史をもち、
日本でも愛飲者が多く、
成人1人あたり年間30ℓ以上消費しています。

ビールは適度な摂取量であれば、
利尿作用や整腸作用があるとされています。

また、苦味や香りづけのために醸造過程に用いられている
「ホップ」の香りは、リラックス効果も
期待できます。

しかし、ビールはゴクゴクと飲めてしまう(特に夏場)酒です。

アルコール度数は5度前後と日本酒よりも低めではありますが、
のどごしの良さから飲みすぎてしまうことが多いのでしょう。

飲み過ぎには注意し、適量をこころがけたいものです。

ウイスキー

ウイスキーは、大麦やライ麦などの穀物を糖化してアルコール発酵させ、
蒸留した酒
です。

蒸留する前までは、先ほど解説したビールと、
醸造方法がほとんど同じことに気がつきますね。

つまりウイスキーはビールを蒸留したものであると、
言えないこともありません。

ただし、ウイスキーの原料となる大麦は、
燻製されている
ところに違いがあります。

これによって、ウイスキーに独特の風味が加わります。

蒸留し、アルコール度数が高くなった原酒は、
樽に詰めて熟成過程へと移ります。

樽の木材から香りや色素が液体に溶け出し、
ウイスキーを香り高く美しい色に仕上げていくのです。

熟成期間は短いもので3年、
長いものでは30年のものもあり、
熟成期間が長いほど価値が高くなります。

世界五大ウイスキーは、

  • スコッチ(スコットランド産)
  • アイリッシュ(アイルランド産)
  • アメリカン(アメリカ産)
  • カナディアン(カナダ産)
  • ジャパニーズ(日本産)

の5ヶ国です。

アメリカ、欧州勢の中に日本産のウイスキーが入っています。

日本のウイスキーは後発にも関わらず独自の発展を遂げ、
世界的に高い評価を受けているのです。

ウォッカ

ウォッカも蒸留酒に分類され、
ロシア、東欧、北欧で主につくられている酒です。

ウォッカの原料は、
ジャガイモ、トウモロコシ、大麦、ライ麦などの穀物。

原料の穀物を糖化し、酵母を加えてアルコール発酵させた後、
蒸留します。

できた蒸留酒を白樺炭などでろ過してから瓶詰めされます。

ろ過することで蒸留酒に含まれていた
香りや不純物が全て取り除かれる
ため、
ウォッカは無色透明で、
クセがまったく無いことが特徴です。

ウォッカは冷蔵庫で冷やし、ストレートで飲みます。

冷凍庫で冷やすと、とろりとした舌触りになります。


次のページでも引き続き、
世界の酒類について解説を進めます。