Lesson7-3 発酵食品の効用③ 甘酒/ヨーグルト

甘酒

甘酒には麹由来のものと酒粕由来のものがありますが、
ここでは麹由来の甘酒について解説します。

甘酒については、Lesson4-6でも触れましたが、
ここではもう少し詳しく栄養素や健康効果を学びましょう。

発酵すると元の食材よりも栄養価が増える食材がありますが、
甘酒はその代表です。

炊いた米を麹で発酵させてできる甘酒は、
米よりもずっと栄養価が高くなります。

甘酒の栄養

ブドウ糖

甘酒はとても甘い飲み物ですが、
砂糖は使われていません。

発酵により米のデンプンがブドウ糖になるため、
甘酒の甘さはそのブドウ糖によるものなのです。

甘酒の成分のうち、20%がこのブドウ糖で、
ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源となります。

疲れた時に、集中力ややる気を養うのに効果があります。

アミノ酸

甘酒には必須アミノ酸を含むアミノ酸が、
豊富に含まれています。

ビタミン

エネルギーの代謝に欠かせないのがビタミンB群です。

甘酒にはビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、葉酸などが含まれいます。

食物繊維

食物繊維は、おなかの調子を整える働きがあります。

甘酒を毎日飲むことで、
排便の回数が増えるという調査結果もあります。

コウジ酸

麹から生み出されるコウジ酸。

コウジ酸は、メラニンの生成を抑え、シミやそばかすを予防します。

また抗酸化作用もあり、アンチエイジングや
生活習慣病の予防にも期待できます。

美容効果が期待できるのは、女性にとって嬉しいですよね。

甘酒はいつ飲む?

甘酒と言えば、冬の寒い時期に体を温めるために飲む人が
多いのではないでしょうか。

しかし、実は江戸時代には甘酒は、
夏に滋養強壮するための飲み物だった
のです。

上で学んだ通り甘酒はビタミンなどの栄養が豊富なので、
暑くて夏バテしてしまった時にも、
飲んでみてください。

ヨーグルト

一部の国で食べられていたヨーグルトが世界に広まったのは、
ヨーグルトを食べると健康になり、
長生きできると唱えられたからでしたね。

ヨーグルトの栄養

ヨーグルトにはさまざまな栄養が含まれています。

体の成長に必要なビタミンB2やカルシウム、
さらに牛乳に由来するタンパク質も豊富です。

ヨーグルトのカルシウムは発酵によって生成された乳酸と結合し、
乳酸カルシウムとなります。

そのため牛乳を飲むよりも、カルシウムの吸収が格段に上がります。

ヨーグルトの健康効果

整腸作用

人の腸内には100兆個という微生物が生息しています。

一般に、体に良い働きをする菌を「善玉菌」、
悪い働きをする菌を「悪玉菌」と呼んでいますが、
この菌のバランスは、ストレスや食事内容、
運動量などにより変わります。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、善玉菌です。

腸の運動を活発にして便秘や下痢を防ぎ、
腸内の善玉菌を増やすため、
整腸に効果があります。

美肌効果

ヨーグルトには、新陳代謝を促す
ビタミンAやビタミンB2が含まれています。

老廃物を排出する働きがあるので、
肌荒れやニキビなどの肌トラブルに効果が期待できます。

アレルギー症状を抑える

「花粉症にはヨーグルトが良い」という話を耳にしたことがありますか。

花粉症などのアレルギー症状は、
免疫細胞のバランスが崩れることで出ますが、
この免疫細胞の半数以上は、腸に存在します。

つまり、腸の状態がアレルギーの引き金になることもあるのです。

乳酸菌の働きによって腸を整えておくことで、
アレルギー症状を抑えることが期待できます。

乳酸菌の合う・合わない

乳酸菌にはさまざまな種類があり、
人によってそれぞれ合うものと合わないものがあります。

例えばヨーグルトを食べておなかを壊した場合、
そのヨーグルトの乳酸菌は合わない可能性が高いです。

何種類か試してみて、
自分の体と相性の良い乳酸菌を見つけると良いでしょう。


Lesson7では、発酵食品の健康効果について解説しました。

世間で体に良いと言われている発酵食品について、
改めて栄養素や健康効果を学んだことによって、
新しく知ったことや気づきがあったのではないでしょうか。

自分の体調を観察しながら、
いろいろな発酵食品の健康効果を感じてみましょう。

Lesson8では、食品以外で発酵が活用されている分野について学びます。