納豆

大豆からつくられる納豆は、
イソフラボンやマグネシウム、ビタミン類などが豊富で、
美容と健康に良い発酵食品です。
納豆についてはLesson3-4で学習したので省きますが、
ここではもう一つの納豆について触れたいと思います。
それは「塩辛納豆」です。

塩辛納豆は納豆菌で発酵させるのではなく、
麹と塩で発酵させたあとに乾燥させたものになります。
塩辛納豆も原材料は大豆ですが、
こちらはネバネバしておらず、色も暗黒色です。
味わいも糸引き納豆とは異なり、
塩辛く独特の風味があります。
実は最初に中国から日本に伝わったのがこの塩辛納豆で、
その後、国内で糸引き納豆が誕生したと言われています。
塩辛納豆は「寺納豆」とも呼ばれ、
代表的なものには静岡の浜納豆や、
京都の大徳寺納豆があります。
干物

干物も魚の発酵食品の一つです。
「干物は発酵しているのか?」
と思う人がいるかもしれませんね。
干物は魚を下処理して塩をぬり、
天日干ししたものを指します。
干すことによって殺菌され、
腐敗を防ぐことができるのです。
干物には独特の香りと風味がありますが、
それはこの乾燥させる過程で発酵が進み、
アミノ酸が生産されるからです。
例えば、干物と言えばアジの開きが食卓ではおなじみですが、
干していないものと干したものでは風味が異なり、
アジの干物は旨みがぎゅっと凝縮され、ご飯も進みます。
魚の干物で有名な発酵食品に「くさや」がありますが、
これは次のページで取り上げます。
なれずし

なれずし(熟れ鮨)は、容器に魚とごはんを一緒に漬け込み、
重石を乗せて数日〜数ヶ月発酵させたものです。
ご飯が乳酸発酵して酸性になり、雑菌の繁殖を抑え、
魚も発酵によりアミノ酸が発生し旨みが増します。
発酵が長期になるとごはんがドロドロになるため、
その場合は魚だけを食べますが、
ごはんがドロドロになる前に魚とご飯を一緒に食べることもあります。
なれずしの起源は非常に古く、
縄文時代か弥生時代ごろに中国から伝わったと
されています。
まだ冷蔵保存ができなかった時代に、
魚を長期保存するための知恵だったのでしょう。
現在の寿司の起源が、なれずしではないかとも
言われています。
なれずし(熟れ鮨)とは異なり現在の寿司は、
乳酸発酵の代わりにお酢を用いるので、
はやずし(速鮨)とも言われています。
なれずしで代表的なものでは、滋賀県のふなずしや、
石川県のかぶらずし、
和歌山県のサバやサンマのなれずしがあります。
次のページでは一風変わった青森県のなれずしも解説します。
2回に渡って定番の発酵食品を解説しました。
日常で何となく食していた発酵食品も、
詳しく学習することで味わいが異なってくるはずです。
次のページでは、
日本全国ご当地の発酵食品について学習を進めましょう。